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放射線管理区域と内部被ばく [原発事故]

ふと「放射線管理区域」のことを考えた。

原発事故後、妻は「放射線管理区域からモノを持ち出してはいけないという法律がある」という理由から、関東の自宅から移住先へ荷物を運ぶことをためらった。自宅から数キロメートル離れたところでセシウム合計「4万ベクレル/平方メートル」の汚染が計測されたからだ。僕はいくらなんでも「全てを捨てる」わけにはいかないと言って、その時いろいろ調べた。

すると

「放射線管理区域からモノを持ち出して行けない」

のではなく、

「4ベクレル/平方センチメートル(=4万ベクレル/平方メートル)汚染されたモノは放射線管理区域の外へ持ち出してはいけない」

という話だった。

おそらく妻は「放射線管理区域=4万ベクレル/平方メートル汚染されている場所」と考えていたのだと思う。

「放射線管理区域」というのは危険な放射性物質を扱うために「放射能が管理されている場所」だ。だから「放射線管理区域」の「空間線量」や「表面汚染」は常に厳密にモニタリングされていて、放射能に関しては基本的に「クリーン」になるように保全されている。

つまり放射線管理区域内であれば放射能は4ベクレル/平方センチ以下に保たれるから、そこまで汚染される以前に徹底的に除染される。

その意味では今のホットスポットは「放射線管理区域よりひどい」ということになる。

だが「モノの汚染」はまた別だから、そこで僕は妻に

「それは4万ベクレル/平方メートルの土を運び出しちゃいけないって話で、家の中のモノはそんなに汚染されてないよ」

と言って、一応RD1008で表面汚染が検出限界8ベクレルで「0」であることを確認して、結果的には家財道具や本や衣類などほとんどを持ち出した。金銭的にもそう選択せざるを得なかった。

それで「4ベクレル/平方センチメートル汚染されたものを持ち出してはいけない」ということはどういうことなんだろう?と考えた。

というのも、もし「放射能は薄まれば安全だ」という原発事故後の話に従えば「4ベクレル程度の汚染」全く無に等しいんじゃないだろうか?と思ったからだ。

だから放射線管理区域に出入りする度に持ち物も衣類もサーベイメーターでスクリーニングする必要なんてないんじゃないか? だって例えば洋服の「袖」に4ベクレルくっ付いてたって、それが口に入っても「カリウムと一緒」なんだし、それが管理区域外に出ようがいずれ流れ落ちたり風に飛ばされて「薄まる」のだから、全く何も恐くないだろう。

それなら空間線量だけモニタリングして異常があったら対策取ればいいんじゃないかと思うし、実際今現在東日本でやってることってその程度の「ゆるい管理」で、それで「安全だ」って言ってるじゃないか。

例えば「ダイオキシン」だったら焼却場の排気口でモニタリングするんじゃないだろうか? それも常時じゃなくてたまにサンプリングする程度じゃないか? 焼却場の敷地から出る時にいちいちサーベイメーターで1平方センチ辺りの汚染を調べるなんてしてないと思う。そんなことにムダな費用をかけるよりも「膨大な量の公害が発生することを防ぐ」ことに重きを置いている思う。

しかし「放射能」は「4ベクレル/平方センチメートル」の汚染を「見逃してなるものか」と徹底的に監視していたのだから、原発事故前まではたしかに他の「汚染物質」とは異なる「核生成物」として「特殊な」扱いを受けて来たのだ。

「1平方センチメートル」という小さい面積に「ほんの少し付いた放射性物質」ですら取り除こうとしていた理由はそこに「内部被ばく」の恐れがあったからだろう。つまり原発事故後に強調されるシーベルト換算された「外部被ばくの実効線量」ではなく、体内に放射性物質が入ることを原発事故前は何としてでも防ごうとしていた。

そしてもう一つは、例え4ベクレルでも発見されれば、そこには「放射能漏洩」があるわけだから、その4ベクレルの汚染から徹底的に原因究明が行われ、その汚染源を特定して漏出を食い止める意味があったのだと思う。

また皮膚に付着した際の近距離からのベータ線被ばくも考慮されているだろう。

これはつまり「空間線量が上昇するほどの汚染が発生する前」に、もっとずっと微量な放射性物質が内部被ばくによって人の健康を損なうという認識があったからだと思う。また例え4ベクレルの放射能漏洩があったとして、それが長期に渡って微量に拡散したら「長期低線量被ばく」になるから、それを未然に防ぐ意味もある。

もし「薄まれば安全」ならその程度の汚染全く放っておいても構わないだろう。だってその何万倍の漏洩が現在進行形で続いていても「薄まれば安全」なんだから4ベクレルなんて調べるだけムダだと思う。

そう考えると原発事故前は「薄まれば安全」なんて全く考えてなかったんだ。事故後は無視されている「内部被ばく」や「低線量被ばく」への対策がちゃんと取られていたのだ。

つまり事故によって漏れてしまった放射能と今も漏れ続けている放射能が「危険」であることは、放射線防護のための法令そのものが証明してしまっている。

「放射能は『危険』なんだけど、もう『緊急事態』だから、行政的判断から『奴隷』は我慢して受け入れてちょうだい」

というのが本音なんだけど、それを言ってはあんまりだから、その論点をすり替えて「安全です」と言いたい。

本当は「我慢」なんだけどそれを「安全」と思い込ませたい。

この特殊なトリックを成立させるためには原子力緊急事態宣言を解除することはできないだろう。

それとも解除する前に「電離放射線障害防止規則」を改正してしまうのだろうか?



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