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見せびらかしの時代 [雑感]

妻が友人と食事をしたら、そこのカフェの若い店長が自分が店を開いた動機やらこれからやりたい夢を語りまくり、しまいには「地域貢献のために市会議員になる」と言ったらしい。妻らはその「ドヤ感」に圧倒されうんざりして店を出たらしいが「なれるんじゃないの?市会議員」と言う。

たしかに自分の周りを見ても「出世する人」とか「仕切る人」とか目立ちたがりで押しの強い人間が多いのは分かるから、その延長上で考えればその店長とやらも「同じ類いの人間なのだろう」と想像はできる。

しかしこの話を聞いてまず最初に思ったのは「店に来た初対面の客に対していくら何でもはしゃぎすぎじゃないか?」ということだ。

この「他人の家に土足で上がり込むような」図々しさは、いわゆるソーシャル・メディアの影響だと思う。

最近ネットで「独立して起業しよう」とか「クリエイターになろう」みたいな人たちのブログを立て続けにいくつも見た。わざわざ探したわけではなく、そういう志を持った人たちってなぜか「繋がっている」から、リンクをたどると芋ヅル式に「似たような輩」がうじゃうじゃ出て来るのだ。

そうやって夢を実現しようと努力することは素晴らしいことだしそうあるべきだと思う。しかし一つ気になったのはそこに漂うある種の「見せびらかし感」だ。

いや、基本ブログでもTwitterでもInstagramでもみんな「見せびらかし」なんだけど、何でそこまで強迫観念的に自分の「今」や「思い付き」を随時つまびらかにして「いいね!」と同調してもらいたいのか不思議になる。

ネット環境のおかげで在宅で仕事をすることははるかに楽になったから「フリー」で生計を立てるということは可能だと思う。だけどそれをここ何年か続けられたから今後何十年も続くはずだとはその人たちも思ってないだろう。

するとやっぱり「不安」になるんじゃないだろうか?そのためにせっせとブログを更新してTwitterをつぶやいて「自分」を見せびらかす。たくさんのフォロワーに「見てもらっている」という確認作業によって不安が取り除かれモチベーションが維持される。

だけどこれはおかしくないか? なぜかと言うと「独立起業する!」という理由は、そこに強烈に一人で生み出したいと思った「商品」があったからじゃないのか? それがプランニングでも設計でも文章でも、自分一人で生み出せる「お金を得るためのモノ」があり、その「商品をどうしても作りたい」という意志が「潜在的な資本」としてあったから独立したんじゃないか?

そういう「モノ」とか「商品」が「独立起業ブログ」からはさっぱり見えて来ない。何だか知らないがとりあえず「起業しよう!」みたいなノリがあって、それから「時間が自由に使える」とか「地産地消でメシがうまい」とか「自然が豊かで子供も楽しそう」とか、そんなどうでもいい生活の断面をまるで「セレブ」感覚で報告する。

「ブランディング」とか「マーケティング」が先行して期待値は膨らんだけど実は売るモノがない、みたいな。

「いやいや商品はブランディングそのものだ」とか「プランナーとしての技術を売っているんだ」とか言われれば分かるけど、「ブロガー」とはそういう位置づけなのだろう。

それで何だか知らないが世の中にあふれる「クリエイターになりたい」と思ってはいるが現実的には才能も見込みもない気の弱いニートみたいな人たちを相手に「これであなたもクリエイターになれる!」というマニュアルを売りつけることで成り立つ一種の「情報商材詐欺」みたいなものだろうか?

生身の人間を目の前にしてスマホに夢中になっているバラバラの人間同士が、SNSという「市場」でその「孤独」を共有して「繋がった気分」になる。「見せびらかしたい」という欲望が商品となり、そんなヴァーチャル市場のプランナーかコーディネイターが「独立起業」を勧める。

注目されるとお金になりそうな感じがするのだ。だから現実の人間関係でもTweetしてるような気分で無責任に思い付きを垂れ流す人が出て来る。泣いている子供をスマホで撮影して子育てブログにアップするとか被害者を助ける前に事故現場を撮影するとかも同じ心理だろう。



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