So-net無料ブログ作成

空間線量と内部被ばく [被曝]

妻が、

「空間線量が高いところには行けない。内部被ばくする」

みたいに言うのだが、これは半分当たってて、半分間違ってると思う。

以下、個人的な考察として。

------

内部被ばくに関して、僕が一番危ないと思ってるのは、福島原発爆発直後のプルーム(放射能雲)だ。

あれだけは絶対やばかった。

あんなものを、これだけ大量の数千万人の人間が喰らったのは、人類史上初めてだろう。

その影響は必ず出る。これは、空間線量とも土壌汚染とも関係ない。

「あのプルーム」を吸い込んで内部被ばくしたことによる健康被害は、いずれ「必ず」出てくる。

ただ、それは、内分泌系の障害や心疾患となって現れて、「放射能が原因とは特定できない」と簡単に言い逃れできることが分かっているから、「プルーム吸い込んでもたいしたことない」と原発推進側は繰り返しているだけだ。

しかし、福島原発事故では、幸いにも、このプルームはほとんど海側に流れ、内陸も短時間で通り過ぎた。

これが全部陸側に流れてたら急性放射性障害が出て、どうにも隠蔽しようがなくなっていたかもしれない。

だけど、今だってきっと影響は出ているし、これからも少しずつ影響は出るだろう。

それが「チェルノブイリほどではない」と言っても、100人死んだ事故と比較して10人しか死なないから良かった、と言うようなものだ。

しかも、この時SPEEDIで拡散予測出来ていたのだから、「屋内退避」さえ呼びかければ、その重大な被ばくを人びとは避けることができた。

それをやらなかった東電、政府の罪は重いし、僕は絶対に許せない。

関東圏まで「屋内退避勧告」することは、すなわち「恐ろしい原発事故が起きた」ことを日本全体に知らしめることになるし、その衝撃によって、原子力そのものが否定されることは目に見えている。

だから、「原発事故たいしたことなかった」という印象を作り出すために、東日本全体の被ばくを引き換えにした。

枝野が原発爆発後を振り返って、

「東京でも避難が必要になる『悪魔の連鎖』が起きるおそれがあると思った。そうならないよう押さえ込まなければいけないと考えていた」

とか言ったけど、この「悪魔の連鎖」ってのは、国民にパニックが広がって、それが「悪魔的に連鎖して、原子力が否定される」っていう、枝野の無意識が言語化してしまったものだから、その連鎖が起きないように、パニックを抑えて原子力を守るために、黙って国民を被ばくさせた、ってことだと思う。

それでも幸いだったのだ。

チェルノブイリでは、このプルームの噴出が、むき出しになった炉心と黒鉛火災によって、一週間続いた。その中をプリピャチの人たちは無防備でバスに乗り込み、30km圏内の農民は家畜と一緒に徒歩で避難した。

だから、その「初期被ばくの差」は出ると思う。

空気の中に、ほとんど「物質としては捉えられない『核』が浮遊している」という状況ほど恐ろしいものはない。

「被ばくなんてCTとたいして変わらない」とかいう詭弁が通用する次元ではない。放射線が身体を通り過ぎるのではなく、体内に放射能核種がダイレクトに入ってくるという、人類がそう簡単には体験することのない状態なのだ。

だから『屋内退避』『雨戸を閉める』『換気扇を回さない』『マスクをする』『肌を露出しない』なんて原子力災害時の基本だし、NHKでさえ、3月12日にはそう言ってただろう。

「絶対に吸ってはいけない」「家の中に入れてはいけない」「身体に付着させてはいけない」ものが放射能であり、プルームこそが、もっとも簡単に身体に、家の中に、侵入する。

では、今の空間線量の元になっているガンマ線を出している放射性物質はどういう状態にあるか?

福島原発事故による土壌汚染は、大気中にあるものが延々と降り積もったというより、雨で一気に地表に落ちて、土壌沈着したもので、ベラルーシやウクライナの汚染より、さらに遠く離れた南ドイツの汚染に近い。(3月15日のプルームは一気に通り過ぎ、3月21日は雨で土壌沈着した)

20110605122834fc7.jpg

o0800056511257965035.jpg

雨で落ちたセシウムを「ウェットポジション」と言うらしく、その時は水に溶けているから浮遊しにくくなっている。

つまり、空間線量は雨が降ったことで一気に上がるのだが、大気中の濃度は逆に低くなる。

(以下、日本分析センターの放射性物質大気中濃度と気象庁のデータを比較してみる。3月20日から21日は雨が降ってなかったので、大気中の濃度は高い。しかし、21-22日に雨が降ると大気中濃度が下がっている。不気味なのは、雨が弱まった3月23日に、ヨウ素の濃度が上がっていること。新たなプルームが来たということか?)

taiki.jpg

weather.jpg

さらに時間が経って放射性物質が地面に染み込むと、他の物質と結合するからますます再浮遊はしにくくなる。

そしてセシウムは水に溶けた状態で濃縮して行くから、局所的にホットスポットができる。

空間線量は何十倍にもなるが、これはいわば「ウェットポジション」のセシウムだから、吸い込むことはほとんどない。

僕もはっきりとは分からない。だけど、たぶん「核」として浮遊している状態がもっとも危険であり、それが水分子なり他の分子と結合すると、性質がむしろ「物質」に近くなるのではないか?と思うのだ。

だからこの段階で問題になる内部被ばくは呼吸によるものではなく、その土壌中のセシウムを吸い上げた作物を食べることによるものだから、今は食品に最大の注意を払わなければならない。

もちろん「空間線量が高くても、汚染なんてたいしたことない」とか言うつもりは全くない。

原発事故から1年5ヶ月経っても、関東の空間線量は平常時の4、5倍はあるだろう。

それはもう建物の中も外も変わらないし、場所によっては数十倍になっているような吹き溜まりもあるだろう。

それが24時間365日だ。校庭で遊ぶ子どもは、ガンマ線に加えて最大1m飛ぶベータ線を肌に受けている。

ベータ線は皮膚の表面で止まるなどと言うが、これも嘘で、本当は真皮にまで達する

その環境はやっぱり「放射能汚染」されていると思う。

だから、僕たちは関東を離れた。

ただ、現段階では「一番恐ろしいプルームから放射能を吸い込むような内部被ばくの恐れはほとんどないだろう」と言っているだけだ。

しかし、日本分析センターの放射性物質の降下物測定を見ると、

2012/4/2 ~ 2012/4/9 セシウム134=23 セシウム137=34
2012/7/9 ~ 2012/7/17 セシウム134=26 セシウム137=44
2012/7/30 ~ 2012/8/6 セシウム134=16 セシウム137=24

と最近になってもまだ出ている。これは単位がメガベクレル/平方kmだから、セシウム合算で50〜70ベクレル/平方メートルぐらい時々降り積もっているのだ。

しかし大気浮遊じんは0だから、一体それはどこから飛んで来たのか?と思う。

大気中では検出されなくても、それが一週間野ざらしになった検出器に堆積すると、検出されるのだろう。

たぶんホコリにくっついているんだろうから、プルームとは別だとは思う。

それが風で地面から舞い上がったのか、焼却場から出ているのか、あるいは福島から飛んで来たのか分からない。

しかし未だに、関東で「時折、うっすらと、検出限界以下で」放射性物質は舞っているのだ。

だから、妻の言ったことに照らして言えば、

「空間線量が高いから、常に呼吸で内部被ばくするというわけではない」が、

「空間線量が高い場所は、セシウムの再浮遊が起きて、吸い込む可能性がある」

ということだろう。

これを爆発直後のプルームと比較して「たいしたことない」って思うなら、勝手に吸い込めばいいと思う。

もうタバコ100本吸ったからあと1本ぐらい変わらないと言うなら吸えばいい。

僕は少なくとも自分の子どもには吸い込ませない。

そのためにやれることはやる。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。