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スウェーデンと東京の比較 [原発事故]

「避難した方がいい」「ガンになる」

反原発派のこういう一言に腹を立てて、何だか分からないが「原発よりも何よりも『反原発が嫌』」みたいなことを言う「反ー反原発派」がいる。

東電よりも反原発派が憎いと言うのだから、世も末だ。

「反原発派」として、考えてみる。

つまり、その人たちは何が頭に来てるかって言うと、要するに「避難しなきゃ全員死ぬ」とか「子供みんな甲状腺ガンになる」とか、とにかく「全員」とか「1人残らず」とか、勝手に極端に解釈して、「そんなことあるわけないだろう!」とキレてるような気がする。

「全員」とは言わないまでも、要するに、10人のところを1000人って言ってるように聞こえるのが、「煽り」であり「デマ」だ、と言うのだろう。

まあ中にはそういう人もいるだろうが、そんな「全員」なんて誰も言ってないでしょう。

でも、僕にとっても「犠牲者のイメージ」として考えれば、10人も1000人も変わらない。

「数」はあまり関係ないと思う。

反対派にとっては、10人でも1000人でも、それは「犠牲」であって、受け入れ難いものなのだ。

だから、「許せない」となる。

ところが「推進派」あるいは「気にしない人」にとっては、10人だろうが1000人だろうが、「ほとんど全員死ぬ=急性放射線障害」ぐらいでもなければ、「たいしたことない」から、

「1000人ぐらいで何をおまえはそんなに憤っているのだ?」となる。

つまり、反対派にとっては10人でも1000人でも犠牲であることに変わりはないから「犠牲は1000人に達する」と言い、

推進派は1000人の犠牲など取るに足らない、0人の犠牲と変わらない、だから「犠牲は0」と言う。

東電も、政府も、IAEAも後者で、「ちょっとぐらいの犠牲でギャーギャー騒ぐな」という。

だから、「ちょっとぐらいの犠牲別にいいじゃん」と受け入れてしまった人には、これから原発事故の影響で何が起きようと、その考えがひっくり返るようなことは、永遠に起きないと思う。

「ちょっとぐらいの犠牲でも許せない」と考える人にとっては、犠牲はもうすでに起きているのであり、これからもそれは拡大し続ける。

同じ一つの事故なのに、こうも見え方が変わってしまうのが、原子力事故の恐ろしいところなのだが、その性質をうまく利用して、金儲けに利用されるのはどちらの立場の人間か?

まあとにかく、

チェルノブイリ20年:事故の経過、汚染、被ばく、影響 今中哲二 京都大学原子炉実験所

平成21年地域保健医療基礎統計

この資料を元に、汚染状況が似たような感じのスウェーデンと東京を比べてみた。

僕の勝手な推測で、計算もいい加減だが、

まず結論から言うと、東京では10年後に

現在の15万8000人のガン患者が、15万8300人から16万4000人ぐらいになる。

300人から6000人ぐらいの増加だ。

逆に「ガンではない人」1244万2000人は、10年後にどうなるか?

1244万1400人〜1243万6000人ぐらいに減る。

しかしながら「1200万人都市」はゆらがないだろう。(首都圏脱出が増えて人口減少するかもしれないが)

これをどう思うか?

「ほら見ろ、たいしたことない。その程度のガンじゃ放射能の影響かどうかなんて分からない」と思うか、

「いやいや、1000人だって原発事故で病人増えるなら、大変なことだ。許せない。それに、ガン以外の病気だって出るだろう」と思うか。

もう何度も同じことを繰り返すけど、僕はこのリアクションで全てが分かると思う。

やっぱり、100人だろうが何らかの被害が出るなら、そこから想像力働かせて、「じゃあ子供は?」「じゃあ食べ物は?」と不安は広がっていく。

ところがはなっから「なんだ、たいしたことない」って思える人は、「1000人どころか1万人ぐらい死んだって1200万人元気ならいいだろう」っても思ってるわけで、これこそ正に、政府やら東電と同じ思考だから、別に東電の責任問題も、汚染状況も、冷温停止も、東電の発表通りで何の文句もないし、そういう人にしてみれば、「食べて応援」も「がれき処理」も「復興支援」も、反対する理由など何一つなく、「1000人の犠牲が許せない反原発派」を、「偽善」「放射能こわいこわい病」「煽り」と罵って、何がうれしいのか政府東電を擁護して、「こっちは科学的に正しい」などと言う。

だから、そう考える人は、もうそのままでいいと思う。

僕らは、次の選挙で、然るべき候補者に投票できるように、辛抱強く、生き残っていこうと思います。

そんなわけで、スウェーデンと東京の比較

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リンコピング大学のトンデルらのグループは、チェルノブイリからの放射能によって、スウェーデンの汚染地域でガンが増加するかどうかを調べてみた。

スウェーデンでは3万7000ベクレル/平方メートル以上のセシウム137汚染面積は2万3000平方kmに達した。

sweden.jpg

3000ベクレル〜12万ベクレル/平方メートルの汚染地域を6つに区分し、114万3182人を調べた。

スウェーデン・ガン登録データを基に、1988年から1996年の9年間に調査集団で発生したガンを調べると、全部で2万2409件のガン発生が見つかった。

汚染レベルとガン発生率との関係をプロットしてみると、汚染レベルともに統計的に有意なガン増加が認められた。

sweden2.jpg

ガン発生の過剰相対リスク(図の直線の傾きに対応)は、セシウム137汚染10万ベクレル/平方メートル当り0.11であった。

*過剰相対リスクとは、元々の患者数に加えて、放射能の影響で増えたと思われる患者数の比率。

観察されたガンのうち849件がチェルノブイリからの汚染によるものと見積もられている。

今中助教は、10万ベクレル/平方メートルのセシウム137汚染で、最初の2年間で受ける被ばく量は10〜20mSv程度と見積もり、それをシーベルト当りの過剰相対リスクに換算すると、5〜10となるから(つまり、10mSvの被ばくで、0.05)、広島長崎被爆生存者の追跡調査データの1Sv当り約0.5の、10~20倍のリスクを観察したことになる、と言っている。(つまりトンデル説は放射能の影響を多く見積もっている)

そして、トンデルは、10mSvという低レベル被ばくでは、逆に影響が大きくなるというモデルで説明していると言う。

これを元に、おおざっぱに東京と比較してみる。

スウェーデンの調査対象者数114万人のうち、放射能の影響がなくても2万2000人がガンになっていたと考えてみる。

52人に1人がガンになっている。

そこに、放射能汚染の影響で、850人が上乗せされたのだから、

放射能によるガンの増加率としては、3.8%になる。まあ4%としておこう。(これが広島長崎データだと、0.2〜0.4%の増加率ということになる)

東京の現在の人口は1260万人で、ガン患者は2008年で15万8000人。(参照ここ

80人に1人がガンになっている。

まあだいたい似たようなものとしてみよう。

スウェーデンの汚染状況も、最高が12万ベクレル/平方メートルで、奥多摩辺りと同じだし、葛飾区で3万〜6万ベクレル、ほとんど1万ベクレル未満とされているが、航空機モニタリングの結果なので、かなり低めなのではないかと思うが、まあ似たようなものと考えてみよう。

それで、この調査結果を当てはめると、10万ベクレル汚染された奥多摩地区に今ガン患者が1000人いたとすると、トンデル説だと100人ぐらい、広島長崎データだと5〜10人ぐらい増える可能性がある。

こんな感じで、例えば、1万ベクレル/平方メートルだと、1000人に10人とか、2000人に1人とか、そんな感じでガン患者が増えるとする。(まあいい加減な計算だが、そういう感じなのだろう)

そうすると、トンデル説だと、スウェーデンの調査対象全体で、4%ほどガン患者が増加しているから、東京を似たような汚染度とすると、4%の増加で、

15万8000人のガン患者が10年後に、16万4000人ぐらいになる。

これが広島長崎データに照らすと

15万8300人から15万8600人ぐらいになる。

(まあ実際は、ガン患者は高齢化とか他の要因で年々増えるかもしれない。しかし、その時も0.2〜4%ほどは放射能の影響で上乗せされていくだろう。ただ、その増加の『原因』は特定できない、という話だ)

では今現在「ガンではない人」1244万2000人は、10年後にどうなるか?

東京の人口が変わらないとして、

1243万6000人〜1244万1700人ぐらいになる。

何だかたいして変わらない。「1200万都市」はゆるがない。

放射能の影響を政府やICRPが言い張るように「ガンだけが病気」と考えれば、東京は10年後もあまり変わらないだろう。

みなさんはどう思いますか?

「なんだ、たいしたことないんじゃん」と思う人は、東京に残ればいいと思う。

「ガンにならなきゃそれでいい」って言うなら、そうすればいいと思う。

だけど、避難した方がいい、って言うのは、それ以外の理由がもっといっぱいある。

まず第一は、「子供」の問題。

これは、もうはっきりと、全く予測不可能だと思う。

たしかに、放射能プルームに長時間曝されるっていう初期被ばくは、チェルノブイリより少なくて済んだかもしれない。

だけど、これは福島原発の立地と、風向きに助けられた、不幸中の幸いに過ぎない。

そして、雨のせいで土壌汚染は、チェルノブイリ並みになっている。

大気中への放射能の総放出量は少なく見積もっている政府発表で、チェルノブイリの10分の1、さらにその5分の1しか内陸に流れてないのだから、実質「50分の1」のはずだ。

それなのに250kmも離れた東京で、3万ベクレルとか10万ベクレル/平方メートルとか汚染されてる。(『水素爆発だけ』でこの汚染度は、ちょっとおかしいと思わないだろうか?僕は、これは正確に土壌汚染を測れば、総放出量との整合性が取れないと思う。つまり、格納容器、使用済み燃料プールからの爆発的放出があったと考えざるを得ない)

それで、この先どうなるのか?と心配になって、汚染度が似たようなスウェーデンと比較したわけだが、そのデータにしたって、チェルノブイリ事故のあいにく10年後のものでしかない。30年後のデータを見るにはあと5年待つしかない

つまりチェルノブイリ事故当時0歳だった子供が、30歳40歳になった時に、どうなるかなんて、まだ、誰にも分かってない。

「チェルノブイリ級の土壌汚染の30年後とそこに暮らす人々」を、人間はまだ見たことがない。

それに、「食べ物」の問題。

日本の食品流通なんて、ロシアやベラルーシの比じゃないし、ファミリーレストランやらコンビニやらファストフードやら、加工品に使われる食材なんて、もう何がどうなってるのか全く分からない。

ところが政府にしてもICRPにしても、「内部被ばく」の影響に関しては、絶対に認めたくない。

これは「影響がない」んじゃなくて、「影響」を認めてしまうと、もうありとあらゆる病気の補償をしなきゃいけなくなるから。

ベラルーシやウクライナの健康被害なんて、心疾患とか糖尿病とか老化とか、一体どれだけ「健康」な人がいるのか分からないし、そういう病気は国際的には全く放射能と無関係とされている。
ウクライナにおけるチェルノブイリ関連の疾病の被害者は259.4万名であり,うち61.7万名が子供である(2006年1月現在,ウクライナ非常事態省)。他方で,事故と病気との因果関係を明確にするのは難しく,どこまでがチェルノブイリ事故の直接の被害者であるかを判断するのは困難であるとされている。在ウクライナ日本国大使館資料より

たしかに「ガン」にはならないかもしれない。

東京で6000人ガンが増えたって、1240万人は「ガンではない」。

だけど、それ以外の「病気」になる確率はかなり高くなる可能性がある。子供が30歳とかで「完全に健康」でいるためには、相当被ばくに神経質にならないとだめだと思う。

「ちょっとぐらい病気になったって大丈夫だ」って言うなら、別にいいけど、全く無防備に生活して、今までと同じように「健康」でいられるかどうか、誰にも分からない。

それから、他にも、「ゴミ焼却」「汚泥」「産業廃棄物」などの問題、格納容器内から噴出した(そして政府東電が絶対に触れない)プルトニウムなどのα線核種の問題、全く収束せず毎時2億ベクレル漏れ続けてる原子炉の問題、、、

とにかく、「楽観」できる要素なんて何一つない。

あるとすれば、「ガン患者が増えたって、1240万人はガンにはならない」ってことだけだ。

だから、「俺はその1240万の1人だから、ずっと健康で100まで生きる」って思える人は、東京に残ればいいと思う。

たぶん、1000万分の1の確率ぐらいでそういうことも可能だし、例え病気になったって、すぐ「死ぬ」わけではない。

「死にさえしなければ、それで上等」って言うんだったら、別にいいと思う。

それに仮に東京で200万人病気になったって、1000万人ぐらいの「圧倒的多数」はそこそこ健康だと思うから、自分はその200万人に入らないって思う人は、気にすることはないと思う。

それこそまさに政府が主張していることだから、そう考える人が多ければ多いほど、国としてはありがたいと思う。

そういう人たちはきっと日本でうまくやっていけると思うし、それぐらいの心意気があれば、放射能のせいでガンになっても、きっちり自分で責任持って、「放射能のせいじゃない」って思うだろうから、政府東電にとって、理想的な国民だと思う。

ただ、やっぱり子供はまた別の話だから、考えた方がいいと思う。40歳の人間が70歳で病気になるのと、0歳の人間が30歳で病気になるのを、「30年後の病気」ってことで、同じように「計算」しない方がいいと思う。それがもし放射能のせいであるなら、子供にとってそんな理不尽なことはないし、若くして病気になればなるほど、その苦痛は過酷なものになるから、そういう「他人の痛み」についても、少し考えた方がいいと思う。


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